亀末廣

先月の&Premium ”あんこと、きなこ。” 特集で福田里香さんが京都のおすすめ菓子を紹介されていた。

その中でも特に気になったのが亀末廣。
すぐ近くの烏丸御池の河合塾に通っていたのでお店の存在自体は知っていたのだけど、たいへん重厚で歴史を感じられる佇まいなので、いかんせん浪人生には縁遠い場所であった。(まあ当時は和菓子にもそんなに興味がなかったし)

外から見てもその積み重ねてきた年月の長さは歴然としている訳ですが、お店の中も味があって素晴らしい。
こんなお店に入る機会を与えてくれた福田里香さんに感謝したくなるぐらい。


誌面に載っていたのは、注文した後に餡を挟んでくれる最中と、“かるかる”という名前のきなこ風味の麩焼き煎餅。

最中は日持ちが2日間だそうで、すぐに食べないと湿気って勿体無いしまた今度にして、冬季限定の大納言を選ぶ。
これがまた潔く格好良いお菓子で、なんと丹波産大納言小豆を和三盆で甘く炊いた…炊いたそのもの。
黒く光る小豆が竹の筒にたっぷりと詰められている。



しっかりとした甘さがあるのだけど、後口に残らない。豆の持ち味だけが余韻のように感じられる。
それから小豆の皮が美味しい。とても薄くてまったく味わいの邪魔をしないどころか、皮に特有のうまみがあるような…


そしてかるかる。
その名の通り手に持つと軽い。とても素朴なお菓子のようでいて、さっと引かれた刷毛目の糖衣がなんとも洗練された風情。
さくさくとした歯ざわりに、ふんわりと香るきなこの香ばしさ。
一口かじり、お茶を口に含めば心の底から安心できるようなお味です。これは良いお菓子です。

作成者: sumi

趣味は料理の本を眺めることです

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