台湾 / 中国茶会(初級編)

さてあれから3ヶ月経ち、季節はすっかり秋になり、お茶会。今回は青茶。烏龍茶って、種類がありすぎてどうしよう、という印象。

①阿里山野放烏龍
のびのびした形の茶葉が印象的。目で楽しむために蓋碗では淹れない。
口に含んだ瞬間は程よく甘くまろやか。後味はさっぱり。良い意味で余韻が無い。先生曰く、口の中に風が吹き抜ける。なるほど!最終的に行き着くお茶?

沓沢さんの茶杯

②自然生態東方美人
ウンカが茶葉を噛むことで独特の蜜のような香りが生まれる。紅茶に近い発酵度。淹れ方によってかなり表情が違う。とろっとした甘さはお茶酔いしそうであまり好みではないけど、三煎目ぐらいのかなり落ち着いた紅茶に近い味はほっと落ち着く。遠くにうっすら残る華やかな香り。
夏は水出しでばかり飲んでいたので、温かいものを飲んで、こんなんだったかと思い出した感じ。なんと、濃いめに淹れてビール割りも美味しいらしい。

東方美人が描かれた茶杯!

③木柵有機正欉鉄観音
ご存知鉄観音。ただしこんなに奥行きのある味だとはちっとも知らなかった。強い火入れによるかなりの香ばしさ。その中に深みのある黒糖のような甘さ。煎を重ねてもあまり変わらない安定した味の印象。(あまり難しく考えずとも淹れられそう)
あまり発酵度が高い鉄観音は売れないらしい。今はライトなものが主流だそう。これでも十分ストロングだけど。

渋い”おじさん”風
お茶菓子の蕎麦ぼうろは同じ味のトーン

④鳳凰たんそう蜜蘭香
中国、烏龍茶はあまり人気ないそう。たんそうは香りの型でいくつか種類が分かれているらしい。蘭、ジャスミン、くちなしなど。
基本的には熱湯で淹れるけど、小慢先生はそこまで熱いお湯では淹れず、優しい味を出すそう。それでも先生は酔ってしまうらしい。
烏龍茶の中ではきらきら系。酸味がありフルーティ。個性的で派手な味。

紙の葉がついた茶杓

⑤岩茶
男性らしい力強さと女性らしい華やかさを併せ持つ福建省のお茶。岩茶はブレンドできるとは初耳。
岩茶の味は正直飲んだ瞬間忘れてしまう。何故だろう。

川の流れを想起させる布はアフリカのもの
人差し指の先ぐらいの小さな茶杯 これが適量
今日のデザート

胡桃と白餡のお汁粉。ベトナムのお汁粉にインスピレーションを受けて。白玉には黒糖が塊のまま入っていて、噛むとじゃりっというのが面白い。
匙がまた、小指ぐらいの短く小さいもので可愛い。
敷きかれた布のピンク、お汁粉のベージュ、白玉の白と紫がすべて優しいトーンで調和していて素敵。集中して少しばかり疲れた頭を癒してくれる。

今回も楽しかった。気づかされたのは、普段いかに自分が茶葉を見ていないかということ。
お茶を淹れるとき、これは青茶だから何度ぐらいのお湯で何秒淹れて…と細かいことにばかり囚われていた。
しかし先生は茶葉をまず眺める。そして大きな葉の形がそのまま残ったような茶葉なら低い温度でさっと淹れたり、細かく丸まった茶葉なら熱いお湯でしっかり抽出したりとそれぞれの茶葉に合った淹れ方をする。
そうしてお湯を含んで潤った茶葉は何となく本来の姿に戻ったように見えた。

そしてもう一つ気づいたのは、自分は中国茶でも紅茶でも、”黒糖のような”と表現されるお茶が好みだということ。お茶自体を飲むのはもちろん好きで、でもどういうお茶が好きかと問われると困ってしまうところがあったのだけど、鉄観音を飲んだ瞬間にこれが自分の好みの味だ、と思った。自分の好きな味の指標がわかったのはすごく嬉しい。

作成者: sumi

趣味は料理の本を眺めることです

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