Chant d’Oiseau

人生最後の日に食べたいのは迷わず鰻とミルフィーユ。
小麦粉、卵、バター、ミルクの洋菓子の基礎となるシンプルな材料から作られるものの中で、最も豪奢なのがミルフィーユでしょう。パイ生地とクリームという単純な構成ながら、お店によって個性は色々。
これまでもそこそこの数のお店で食べてみたけれど、憧れつつも未だ出会うチャンスに恵まれていないものも数知れず。その一つがシャンドワゾーのミルフィーユでした。

用事があって母が川口に来ているので、私も便乗して行くことに。人生初埼玉。
シャンドワゾー、朝早いというのに結構な行列で驚いた。この間テレビで紹介された影響なのか、それとも普段からこんな様子なのか?
焼き菓子を自宅用に少し、それから母のイートイン用のケーキを一つ。
生菓子のショーケース、華やか!凝りすぎず程よく親しみやすい感じもありつつ、端正な雰囲気もあり。ショーケースの前にいる人たちは見事に皆目移りしていました。
母には絶対にスペシャリテのミゼラブルを食べてもらいたいと思っていたけど、どういうわけか無かったので、一際目立つ色鮮やかさのサントノーレ・ピスターシュに。ミゼラブル、相当美味しいらしくバタークリーム好きとしては是非食べてみたかった(一口ね) まさかスペシャリテが切れてるとは。

それはさておき、お会計を済ませ、近くにあるグラシエ・ショコラティエのお店へ。ミルフィーユはこのサロンでのイートイン限定なのだ。
デフォルトで好きなアイスクリームが一つついてくるのだけど、ラムレーズン・スペキュロスに。

噂通り大きい!そしてナイフを入れると抵抗なくすっと切れる。
層と層の間に空気をたっぷりはらんだ生地は焼き色も薄く、さっくりふんわり。表面のキャラメリゼが控えめなアクセント。
以前はしっかり焼き込んであってナイフで切るのにも難儀するぐらいざくざくした生地が好みでした。が、銀座ウエストの色白のミルフィーユを食べて生地とクリームの一体感に感動したことがあり、こだわりが覆されてからは軽い生地の魅力も感じるようになりました。焼きすぎない方がバターの繊細な香りも残る気がするし。

そしてカスタードクリーム!ぽってりとした質感で、味も卵黄のこくとバニラの香りが強く濃厚。甘さもしっかり。これだけはっきりした味のクリームはめずらしいかも。
厚みのある生地と合わせて均衡が取れる感じ。このバランスが絶妙。

一口目では素直にオーソドックスな美味しさだな、と思ったけど、食べ進めるうちに生地とクリームの相性の良さに感心し始める。
わりとカスタードが濃いのだけど、アイスクリームのスパイスの香りが合わさることで味に深みが生まれて食べ飽きない。カスタードの存在感に合わせて、酸味の強いフランボワーズなんかも良さそう。ちなみにアイスは3つまでのせてもらえるらしい。
なんといってもこのサイズ、ミルフィーユでお腹いっぱいになれるなんて最高に幸せ!なんだか長年の夢が叶った気分。

母のサントノーレ・ピスターシュもすごく美味しくて満足度が高かったそうです。甘さがちょうどよかったらしい。

シャンドワゾーのミルフィーユ、足を伸ばして食べに来られて本当によかった!

作成者: sumi

趣味は料理の本を眺めることです

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