MARINES DOCUMENTARY 2024

優勝したわけでもないのに(失礼!)なぜか昨年から映画を制作している千葉ロッテマリーンズ。

2023年は関東圏でしか上映されなかったらしいが、今年は全国でやるらしくサッポロファクトリーのユナイテッド・シネマに観に行ってみる。

(私は特にロッテファンではないのですが、熱狂的な応援スタイルや活発な広報活動が面白いなーと思って見ており、気づけば選手の名前と顔がそこそこ一致するようになっていた)



映画は2024年、春のキャンプ開始とともに吉井監督がスローガンを発表するところから始まる。
“自分たちを超えてゆく。”



そこから長い長いシーズンの開幕。
全143試合をひたすら追う中で勝ったり負けたり、浮き沈みを繰り返す。完投や力投、サヨナラ勝ちでチームの機運が高まることもあれば1試合の手痛い負けを引きずって連敗に繋がることも。

実際観ていて長いのですが、まあ選手にとってシーズンは延々と続く試合の積み重ねであり、それを追体験しているという解釈もありっちゃあり。



合間に挟まれるインタビューで選手たちそれぞれの現在地が浮き彫りになる。


現状に満足せず闘志を燃やして絶対的エースを目指す小島、そして種市。
守護神・益田に追いつけ追い越さんと勢い溢れる鈴木、横山。
自身の能力を分析し、チームでの役割を俯瞰することで頭角を現し始めた小川。
打てる捕手としてスタメンに定着した佐藤と、追われた形になりながらもその存在を認め、二人三脚でポジションを守る田村。(ここはぐっときた…)


台頭する若い選手たちがいる一方で、長く現役を続けるため6年ぶりの先発に転向した唐川や、支えてくれた家族のためにできる限り野球を続けて恩返ししたいと語る沢村、これまでの経験から得た知見を余すことなく若手に伝えたいというソトのようなベテランたちの姿も。


また、自分らしい思い切ったプレーが出来ず年々焦りは増すばかりという藤原や、待ち焦がれた復活を果たすも度重なる怪我に悩まされる髙部など、現状を打開するため必死でもがき続ける選手もいる。



選手の口から出た言葉で最も衝撃だったのは佐々木朗希の一言。
(野球を続けることで犠牲にしているものはあるか?という問いかけに対して)

「人生」


選手にとって、人生=野球なのかと思っていたけれど、もっと心穏やかな生活を求める気持ちを押し殺して日々プレッシャーの中戦っているという事実は胸に重くのしかかった。

どなたか失念してしまいましたが、結構なキャリアがあるのに未だに試合で上手く投げられていない夢を頻繁にみるという選手の話も、きつい。

命を削ってプレーしているその輝きを見られることに感謝したい。


さて、夏前まで浮き沈みを繰り返していたチームはシーズン後半に急失速。なんとか持ち堪え、CSには進出したもののあえなく敗退。(この映画では映像すら使われていなかった)

そして11月、ファン感謝デーで吉井監督が佐々木朗希をメジャーに送り出すところで映画は終了。
ここからまた来年に向けてスタート。


なんとも言いようのないもやもやした気持ちが残る。
野球選手の厳しい現実に、2時間の上映後ぐったり疲れた。プロになるのは当然難しいけれど、そこで活躍するのはもっと険しい道のりで、あらゆる才能・タイミングが揃わないとチームは優勝なんて出来ないんだな。
選手たちが感じている苦悩をほんのわずかでも知ることができてよかった。


音楽のバリエーションが極端に少ないのでちょっと単調に感じたりもするけど、映画館にいた人と感想を語り合いたいと思うぐらいには心動かされた。
あと吉井監督はやはり渋くてかっこよかったです。ZOZOマリンスタジアムの強風も感じてみたいなー。今度の映画は優勝した年に観たい。


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カテゴリー: 未分類

作成者: sumi

趣味は料理の本を眺めることです

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