①2022 阿里山烏龍 5g
慣行農法のもの。丸まった茶葉はかなり小ぶり。
丸まった茶葉は湯温が下がらない方が美味しく淹れられるので茶壷で。なんとも渋い茶盤は沓沢さんの作。
1煎目 目の周りが冴え冴えして胃に直行
2煎目 舌先がざらっとする感覚が残る即ち飲んでも心が落ち着かない この舌の感じは緑茶を飲むのに慣れている日本人は見過ごしてしまうことが多い
3煎目 ぱったりと味が消える というのも、ひとつひとつは力の無い茶葉を集めて沢山使うことで味を出しているから
高山茶の歴史は新しく、作り始めたのは1980年代
その後ブームによって品質が低下していく
作業時間の短縮による発酵不足など
4煎目 もはや舌はびりびり 喉につかえる
茶底を見てみると葉の大きさが全体的に小さく、かなり柔らかい。明らかに成長不足。
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②2021 野放 阿里山烏龍 3g
湯のような淡さの中に長く続く香りがある
身体の中心から広がる
口に含むと優しい甘さ、飲み込んだ途端爽やかさが出る
鼻先から香りが入り、飲むとそれが味と合わさって、飲み込んでも口中に広がる余韻 一瞬一瞬で移り変わる楽しさ
味と香りが違和感無く一体となるので飲んでいて疲れない
③2023 鳳凰单欉 蜜蘭香
水出しで。テンションを上げてくれるお茶。
その華やかなイメージに引っ張られてしまうので、先生にとっては最も淹れるのが難しいお茶だそうです。
元来しっかり火入をするお茶だったけど、近年は青めが人気。
④2022 参等 東方美人
自然農法。コンテストで入選するお茶とはどんなものなのか?
産毛が沢山で見るからに繊細。 飲んでみるといかにも上品で、誰もがイメージするであろう東方美人の香り。とてもまとまりが良い。
私はリージェント台北のスパで出てきたお茶を思い出した。あの煌びやかなホテルの高層階で飲むお茶。
飲んでみた感覚としては、頭に何か上がってくる。身体には引っ掛かりがなく、すっと流れて引いていくイメージ。
先生はこの華やかな香りに対して引っ掛かりがない味に、ちぐはぐな印象を受けるとのこと。なるほど、確かに言われてみればそう。
私は自然農法でこれだけ派手な香りのお茶ができるという点に驚いた。
⑤自然生態 東方美人
こんな茶壷で飲みたい東方美人とは?
基本的に畑をいじらず、きわめて自然に近い状態で育てた茶葉。いわゆる純露香(この言葉便利だな 笑)があり、低いトーンの甘さが持続する。
良い意味で透明感がなく、くぐもった温かい印象。
これもまた東方美人なのか、という意外性がある。
羊羹と水羊羹の間ぐらいのお菓子。口の中でほろっと溶けて、水分になる。ぼんやりとした淡い甘さが、東方美人と同じトーンで重なる。
さて今回の教訓。お茶は舌だけでなく、全身で感じる印象で選ぶのがよい。味だけではなく、飲んだ時に身体に及ぼす影響を意識すると、それが指針になる。