10月は私の誕生月なのでコートドールへ。円山はフレンチレストランだらけの地区ですが、その中でも最もクラシックな1990年開業の老舗。名前だけ知ってる三田のコートドールとは元々同じ経営だったらしい。
どことなく要塞っぽさもある円柱が張り出したような形の建物。1階がフラワーショップ、2階がウェイティングバー、3階がレストランフロアになっていて、円の外周をなぞる階段がある。
3階はぐるりとソファが張り巡らされ、申し分なく優雅な雰囲気を演出するゆったりとした造り。
空間だけで記念日に食事をするならこうでないと、という気分を十二分に満たしてくれる。
赤ピーマンのムース トマトのクーリ添え
焼いたパプリカの皮と実の間の香ばしさと乳製品の濃厚な甘み。トマトのクーリの青々とした風味もアクセント。この一皿で満足度が高すぎる。いつまでも舌の上で溶かしていたい。
蝦夷鹿肉のリエット、十勝マッシュルームのサブレと共に
プティフールのように可愛らしい姿で食べるのが勿体ないぐらい。分厚いサブレの上にリエット、スライスされた生のマッシュルーム。ざっくりした食感のサブレを噛み締めると鹿肉の旨みが口の中に広がる。
道産鰤のマリネと和梨のサラダ仕立て ビーツのソースを添えて
基本的に生の魚はあまり好かないんですが、これはその魅力が理解できた一品。
鰤特有の濃い風味にビーツの土くささが拮抗。しゃきっとした食感の梨が加わることで程よい軽さが出る。
根室産銀宝のベニエ シェリービネガーソース
GINPOは穴子に似た淡白な味の白身魚。穴子よか少し弾力があるような。
フレンチというより中華っぽさ?を感じるほんのりスパイシーでクリスピーな衣の食感が楽しく、添えられた根セロリやセルフィーユ、シェリービネガーのソースが爽やかで食が進む。
道産牛フィレ肉のグリエとそのタルタル さつまいものグラタンドフィノワ添え マスタードソース
このドフィノワはトリュフの香りであまーいさつまいも。マスタードソースがすごく美味しかった記憶。
発酵バターミルクのソルベとカルダモンのジュレ
口直し。蓋物の器に入っているのがユニーク。透明なジュレの上に佇むソルベは完璧に滑らかなフォルムにクネルされていて、手をつけるのを躊躇するほど。バターミルクのほのかな酸味と清涼感あふれるカルダモンの香りでリフレッシュ。
デザートは別メニューがやってきて選択を委ねられる。
主人は富良野メロンのサヴァラン、私は栗のスフレ バニラアイスクリーム添えに。
熱々のスフレにバニラの香り豊かなアイスクリームはレストランでしか味わえない贅沢。
サヴァランはこの美しさ。どちらも非常に美味しくて食事の素晴らしい締めくくり。
小菓子。切り株にのったチョコレートのタルトと、ラズベリーのパートドフリュイ。
それぞれ小さくてほろ苦い、小さくて甘酸っぱいが凝縮されたような味でこの上なく満足な気持ちにさせてくれて感動。食後のコーヒー。
食中の飲み物はシャンパンとノンアルコールの赤ワインで丁度いい感じ。
すごく良いレストランでした。オーソドックスで安心感がありながらも気が利いている感じで。