冬は紅茶・黒茶の回。
①正山小種
中国紅茶の発祥。当初はあまり烏龍茶との区別はなかったそう。最近は人気低下中… 松の葉で燻すのも昔は命がけ。
くぐもった、スモーキーな香り。でも、お茶の味までは濁らないところが凄い。渋味も少なくて飲みやすい。お茶自体はさることながら、茶杯に残る香りの甘さが印象的。
煎を重ねると、香りと味が一体化するような印象を受けるのが面白い。ただ香りが薄くなってくるというのとはまた違う感じ。
②六亀野化紅茶
陽にかざすと素晴らしくきれいな色をしている。
六亀という地域は台湾の南、高雄の方らしい。あまりメジャーではない産地だけど、先生のお気に入り。茶の種類は違っても、その土地の味というのがあるらしい。
野化、というのは種を蒔いて作っているという意味。挿木ではない。
最初はドライフルーツのような芳醇な甘い香りが広がる。華やかでありながら奥ゆかしくもある。その後はふんわりとカカオ香が現れる。
台湾の紅茶は初めて飲んだけど、今回一番心に残ったお茶。とても表情が豊か。こんな香りの香水があればいいのに、と思ってしまう。
③小慢清和野放古樹茶
“半殺し”製法のお茶。酵素が未だ生きている。
プーアール生茶って一回ぐらいは飲んだことあるけど、どんなのだったっけ、と思ったらなかなか手強いお茶。
青っぽいような緑っぽいような、なんとも形容し難い独特の清涼感がある。が、口当たりは妙にまろやかな印象。でも、二煎目からはお茶らしい渋味も出てくる。
先生は一煎目で既に頭が痛くなってしまうそう。私は急に目が開いて、冴えてきた。強い。
④易武古樹老石専
石専(くっついて一つの漢字)は煉瓦の意。よくある餅茶ではなく、長方形に固められた茶葉。
身体にも良い、常飲に適したお茶。淹れ方でがらっと味が変わったりもしないし安心感がある。
淹れるのが楽なので最近は紅茶ばかり飲んでしまう、と先生に話したら、それをプーアール茶に替えてと言われてしまった!恐れずもっと中国茶飲みます…
⑤黒金蔵茶 茉莉
個性の強い茶葉に翻弄された後の〆。なんとプーアール茶にもジャスミンの香りをつけたものがあったとは。しかもそれをミルクティーにしてしまうなんて。
一口飲んで、何、これ?となる美味しさ。というか、本当に何なのかわからなかった。
乳製品。濃い甘さ。プーアール茶。花の香り。それらが順に現れて混ざり合って、得も言われぬ華やかな味を作り出している。
元気な時じゃないと飲めないお茶、と先生。お茶もまた、健康を測る一つの要素なのは面白い。